お客様のお悩み②

前回に引き続きお客様のご相談で多いものについて書いていこうと思います!


今回は「去勢・避妊手術」についてです。


去勢・避妊手術は必要なの?するとしてもタイミングはいつがいいの?・・・等、迷われる方が多いですね。

手術をする事のメリットデメリットをしっかり理解してから決めることをお勧めしています。↓↓


<メリット> 

*オス・メス特有の病気の予防ができる。
 わんちゃんも人間と同じようにオスは精巣腫瘍や前立腺癌など、メスは子宮蓄膿症や乳腺腫瘍など命に関わる危険な病気のリスクがあります。特に乳腺腫瘍は発情が起こる回数が多いほど発生率は上がってしまいます。
*問題行動の防止
 オスで多い攻撃性は、性格が変わるわけではないため性格上の行動は変える事は出来ませんが、性ホルモンの影響で起こる攻撃性を抑止する効果が期待できます。
*マーキングの軽減
 オスの足をあげておしっこをして自分の存在を強く示そうとする「マーキング」は本能的ななわばり意識のあらわれのため、癖がつく前に手術をすると抑止効果があります。
*性ホルモンが誘発するストレスの軽減
 オスは満たされない性的欲求からくる問題行動であったり、メスは発情期にソワソワしたり神経質になる子も多く、こうした行動やストレスを軽減することができます。
*望まない妊娠を避けることができる



<デメリット>

*太りやすくなる
 性ホルモンの分泌、代謝が変わるため太りやすくなります。手術後はごはんの量を減らしたり、適切な運動をして体重管理を行う必要があります。
*毛質・毛艶が変わる
 ホルモンバランスが乱れることで、毛が抜けたり、皮膚病が発症する可能性もあります。
*全身麻酔のリスク
 全身麻酔をかける手術にはリスクがついてきます。ただ、血液検査やレントゲン検査で麻酔をかけることができる状態かをしっかり確認します。


 


このようにデメリットもありますが、体重管理や毛質の改善などは飼い主さんも努力することで対処できるかと思いますが、病気は別です。人間でも性別特有の病気はかなり大変と広く知られていますが、わんちゃんは手術をすることで重病で苦しむリスクを減らしてあげることが出来ます!
また、性ホルモンの影響で余計なストレスがかかってしまうと、ストレスも病気の元です。一度手術をすると繁殖は二度とできなくなってしまいますが、この先繁殖させることを考えていない方は手術をすることをお勧めしています。




<手術をする時期>については、特に決まりなどはないため獣医さんとの相談が必要ですが、生後6ヶ月程度が良いかと思います。
オスはなるべく本能的行動が出る前に。
メスは大体生後6ヶ月〜12ヶ月程で1回目の発情が起こるため、メリットにも書きましたが発情が起こる前に手術をすることが病気の予防にもつながります。

また、生後3〜4ヶ月ごろから歯の生え替わりが始まるのですが、特に犬歯の部分に乳歯が残ってしまうことが小型犬によく見られます。放置しておくと、隙間に汚れや歯垢がたまりやすく歯のトラブルにつながってしまいます。
手術の際に一緒に抜けきらなかった乳歯を抜くこともできるので、わんちゃんの様子を見ながら獣医さんに相談しましょう!




お客様のご相談で多いのは、オスでこの時期を過ぎてしまって「マーキング癖」がもうついてしまっているというお悩みです。

癖になってしまうと治すことが難しいですが、去勢手術をすることで尿を自分でコントロールすることが出来なくなり、一度に尿が出切ってしまうようになります。
そうなると、おしっこが済んでしまえばマーキングしようとして何度も足はあげますが尿は出ない、という状態になるためマーキングは出来なくなる為、この場合も去勢手術を提案しております。


「健康で元気な、しかも小さな体にわざわざ傷をつけるのがかわいそう・・・」という飼い主さんの気持ちも分かります。私も最初に飼った2匹は1歳前後で去勢手術をし、手術による後遺症や病気などはありませんでしたが、現在飼っているチワワは父親が手術を嫌がり、だらだらと長引いてしまいました。
しかし、7歳になった時に今後の病気のリスクを考え、家族会議で去勢手術を決めました!

成犬になってからの去勢手術は初めてだったため、少し心配はありましたが、麻酔ついでに歯石もついてしまっていたので取ってもらい、3年が経ち10歳になった現在もとっても元気にしています!
手術をしておいて良かったなぁと感じます。
また、手術をしてからおもちゃにまた興味を持ち始めたり、甘えてくることが増え、赤ちゃん戻りをした感じがして性格の変化も少し感じますが、家族全員これもまた可愛いなぁとメロメロになっています!



メリット、デメリットをどう捉えるかは人によって様々だと思いますが、この先10年20年一緒に生きていく大切なわんちゃんのことをよく考えて、家族で話し合い、信頼できる獣医さんと相談して決めてもらいたいと思います。




Shota Yokoyama